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●早朝高血圧が注目されたのは最近
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●なぜ早朝に血圧が高くなるのか? 体には血圧を調節するための多くの仕組みがあり、それを調節しているのは無意識下に体内の代謝などを調節する自律神経系の交感神経と腎臓です。交感神経は必要に応じて、いくつかの方法で一時的に血圧を上昇させます。すなわち、交感神経は副腎を刺激してエピネフリン(アドレナリン)とノルエピネフリン(ノルアドレナリン)というホルモンを放出させ、これらのホルモンが心臓を刺激し血圧が上昇します。また、腎臓も刺激し塩分と水分の排出量を減らし、血液量を増やし血圧が高くなります。腎臓から血圧を上昇させるホルモンが放出され血圧が高くなることもあります。 高血圧の85〜90%は原因不明で一次性高血圧(本態性高血圧)と呼ばれ、特に異常がないのに血圧が高くなるものです。心臓と血管に生じたいくつかの変化が組み合わさって、血圧を上昇させると考えられていますが、原因は特定できません。ただ、危険因子は明らかにされており、食塩の摂り過ぎ、加齢による血管の老化、ストレス、過労、運動不足、肥満や遺伝的要因があります。原因の明らかな高血圧は二次性高血圧と呼ばれ、その多くは腎障害です。これは腎臓が血圧の調節に重要な器官ゆえです。外には、内分泌障害や経口避妊薬(ピル)などの特定の薬物使用が原因で起こります。 血圧は安定したものではなく、正常な方でも1日のうち変動するもので、これを血圧日内変動性と呼んでいます。通常、血圧は夜になると交感神経の働きが弱まり低くなり、夜間睡眠時に低く安定しますが、朝、目覚めと同時に交感神経が活性化され血圧は急に上昇し、高血圧域に至ります。昼間行動期には再び朝の血圧レベルより低くなり、夕方にもう一度高くなるという日内変動を示します。早朝に血圧が上昇するのは、交感神経の働きによるもののほかに、体内時計に従って目が覚めるころ脳下垂体から副腎皮質ホルモン(コルチゾール)を分泌するように指令が出ます。コルチゾールはストレスホルモンとも呼ばれ、血管を収縮させ血圧を上げ、体を動きやすくする働きがあります。この働きは、寝覚めてすぐに動けるようにする生体防御の一つです。これらにことにより早朝の血圧は正常な方でも昼間より20ぐらい上昇するとされています。従って、高血圧症の方は早朝の最高血圧は160〜180mmHg程度となり、場合によれば200mmHgを越えることもあります。ただ、高血圧症の方は普段から高血圧に慣れていますので、早朝に血圧が上昇しても自覚症状がありません。
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| 早朝高血圧の上述したタイプは高齢者の方に多く見られるものですが、疫学調査によれば、一般成人の場合は以下の2つのタイプが多く見られるそうです。一つは本来低くなるべき夜間の血圧が、ほとんど降下せずそのまま早朝を迎え、早朝にまた高血圧となるタイプ、もう一つは夜間の血圧が昼間血圧より高くなり、早朝にまた高血圧となるタイプです。これらのタイプの早朝高血圧症の予後が不良であることは、様々な研究から明らかになってきています。従って早朝高血圧のリスクは、異常な日内変動にあるといえます。 もう一つの早朝高血圧の要因に、降圧治療そのものがあります。近年の降圧治療薬は長時間作用型の降圧薬による1日1回の服用が主流となっていますが、現在使われている薬の中には、24時間作用の持続しないものが多くあるからです。すなわち、ある降圧薬を24時間有効として、朝1回だけ服用していますと、病院の外来では薬が効いていて血圧が正常と測定されますが、24時間後の服薬直前の血圧は高くなっているということになります。 このことに対しては、中等度の薬効持続のある降圧薬を1日2回に分けて服用したり、確実に24時間有効な降圧薬の服用、寝る前に交感神経を抑制させる薬を服用するなどの方法が取られているようですので、降圧薬を服んでいても早朝の血圧の高い方は、一度主治医の先生に相談されるとよいでしょう。 |
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●危険な早朝高血圧 血管の壁は本来弾力性がありますが、高血圧の状態が進みますと血管はいつも張りつめた状態におかれ、次第に硬くなっていき動脈硬化へと進んでいきます。動脈硬化状態になりますと、血管を守っている血管内皮細胞の働きに障害が生じ血管に傷がある状態になり、傷を治す働きのある血小板という細胞が活性化されます。この血小板は交感神経の活性化により分泌されるノルアドレナリンによっても活性化されます。血小板は血液を固める作用を持っています。従って、高血圧により動脈硬化状態になっていますと、血管が傷ついており、早朝高血圧で脈拍が早くなり血液量が増加しますと、さらに血管内部が傷つき、血小板の活性化が激しくなり、早朝の交感神経の活性により血小板もより活性化されます。これらの相乗効果により、血管の中で血液が非常に固まりやすくなり、脳卒中や心筋梗塞が発症するというわけです。 早朝高血圧には、夜間血圧が降下しないタイプや夜間血圧が昼間血圧より上昇するタイプの群と、起床2時間前頃から血圧が上昇し、起床とともにさらに上昇するタイプの大きく2つのタイプがあり、それぞれが独立して心血管リスクになると考えられています。 夜間高血圧型の早朝高血圧では、夜間血圧が昼間血圧より高いタイプにおいて、心血管リスクが最も高く、致死的脳卒中、脳出血や心臓突然死を発症する危険性が高いことが分かってきました。このタイプの早朝高血圧は、不十分な降圧治療、糖尿病、脳卒中後、心不全や睡眠時無呼吸症候群などの症状のある方に多くみられます。 起床による早朝高血圧が心血管の病気の発症に関している可能性は示唆されていましたが、本当にリスクであるかどうかは、明確ではありませんでした。しかし、近年の研究でこのタイプの早朝高血圧が、無症候性脳梗塞と関連し脳卒中のリスクであったり、心臓の左室肥大リスクがあることがはっきりしてきました。 このように早朝には、血圧のみならず多くの心血管リスク因子が憎悪することから、降圧による心血管の病気予防は大きいと考えられています。
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●大切な家庭での血圧測定 早朝高血圧の診断には、朝、患者様自身が家庭血圧計で測った血圧(家庭血圧)の記録が必要となります。もちろん毎日測定するのが望ましいとされていますが、必ずしも毎日でなければ意味がないというわけでもありませんので、あまり神経質にならず気軽に測定することが大切です。早朝血圧の記録は1〜2週間分程度あれば、その方の血圧のだいたいの動きが分かります。また、家庭血圧計は上腕で測る血圧計がよいとされています。日本高血圧学会では家庭血圧測定のポイントを以下のように示しています。 ― 家庭血圧測定のポイント ―
早朝高血圧は薬で治療できますので、家庭血圧を測定し早朝高血圧が疑われた場合は、血圧を記録したノートを持って主治医の先生に早めに相談されるのがよいでしょう。 |
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●日常生活で注意すること
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― 塩分と高血圧の関係 ―
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●血液循環の乱れで生じる高血圧
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